中年リーマン、へじくま日々を生きる

しがない中年サラリーマンが好きなことを書いてます

陰口いいこと?わるいこと?

 今日、整形外科の待合室でおばあさんが二人しゃべってた。

「○○(苗字)のばばはホント癖悪い」

「ホントに!あそこの息子もろくなもんじゃない」

「あの太郎(仮名)は小さいころから悪かった。火つけまわってた(!)」

※実際に言ってた名前ではない。

 

 ○○のばばへの陰口は、僕が来る前に終わったのかな?

太郎(仮名)がメインになってた。

太郎(仮名)どんな奴だろう?

というか太郎(仮名)は今シャバにいるのか?

 

声がでかく、次から次へとどうでもいい情報が入ってくるせいで疑問は尽きない。

 

 太郎(仮名)がゲシュタルト崩壊しそうだけど

本題にはこれ以降、関わってこない。

 

本題

 病院にいる人を表現するのにふさわしくないと思うが

陰口を言っているおばあさん方は実に活き活きしていた。

なんだろう、あの心の底から嬉しい、楽しいが入り混じった感じ。

一言ごとにスッキリしている二人はストレス解消の見本のようだった。

 

陰口とは実はいいものなんじゃないか、と思ってしまうくらい。

そこで陰口のよさを(無理やり)書き出してみる。

 ①言われている人にダメージがない。

  陰口である以上、本人のいるところでは言わない。

  つまり言われている人にダメージは入らない。

  本人に届くところで言うのは悪口。ダメ、ゼッタイ。

 

 ②ストレス解消になる。

  他者を叩きたい人が、その場にいない人を攻撃することで

  変に鬱憤をため込まずに済むし、上記の通りダメージ受ける人もいない。

  鬱憤を吐き出しているから本人と会う時は、多分愛想よくしてるんだろう。

 

 ③陰口を言い合うことで、連帯意識が出来て仲がよくなる。

 

1分くらい考えただけでも3つも出た。

いやー、陰口ってホントーにいいものですね。

 

 上に3つ書いたけど人間の本来の性質がここに凝縮されているように思える。

直接反撃を受けてまで他者を叩きたい人は少数派だと思うが

安全な位置から他者を攻撃したい、見下したい、という人は

結構いるんじゃないかと思っている。

 

 そうすることでスッキリしたり、優越感に浸ったり

誇れるものがなくても

とにかく他者を下げることで相対的に自分を上げ

簡単に自信を持つことができる。

 

 ③なんかは共通の敵がいると人は団結すると聞いたことがあるが

まさにそれだと実感する。

人間3人いると派閥ができるというし

敵味方を分けるのは人間の性か。

 

上記のことから思うに

陰口とは人間の本能から発生するんだろう、きっと。

 

懺悔と陰口に対するスタンス

 ここまで書いといてなんだが

陰口を言っている人間は本当に下品に見えるなあ、と思っている。

ここでこんなこと書いてる僕も同類なのだが。

 

 20代終わりのころまではすごく陰口言ってた。めったやたらに言ってた。

評論家ぶって上司とか先輩とか後輩とか

その場にいない人の人物評とかしてた。

穴があったら入りたい、というか穴掘って入る。恥ずかしい。

思い出すと布団の中で、ああああああってなる。

みんな軽く頭打って、そのことだけ記憶喪失にならないかな。

 

 今はどうか。

今現在の僕の陰口に対するスタンスは

「陰口は意外と本人まで届くから言わない方が吉」

「陰口を言ってる姿は思ったより下品」だ。

 

 本人に届くというが自分自身がひどい目にあったわけではない。

 

 直接的に、ひどい目にあったのは同業他社の同期で

飲み会で言った得意先への陰口がどういうルートをたどったのか

伝わってしまい取引停止になったのを見た。

 

「壁に耳あり、障子に目あり」

昔の人はうまいことをいうものだな、という感想と

「明日は我が身」

と思った。

 

 その事件と同時期だったはずだが尊敬している先輩から

悪口、陰口、愚痴は自分の徳を落とすからやめた方がいい、と言われたのは

心に響いた。まだ覚えているくらいだし。

 

ただその先輩が結構愚痴っぽい気がするのは、僕の勘違いだろう。

 

 徳を落とすというのは色々な意味があるのだろうが

僕が言った人物評が本人に伝わったこともあるだろうし

不快な思いをした人もいるだろう。まさに徳を落とす、だ。

しかし皆、大人としてそれを口にしなかったのだろう、と思う。

言ってた自分が一番小さいなと反省した。

汗顔の至りとはこのことだ。

 

 というわけで会社など公では一切陰口を言わなくなった。

家ではぶちぶち言って妻を困らせるけど。

 

 自分が言わないよう気を付けると

他人が陰口を公の場で言っているのが下品に見えてきた。

禁煙したら臭いに気づくみたいな現象が起きたのだ。

 

 それを見て、僕もああ見えていたのか気をつけようと。

人間なんだから、理性を持って品よく生きたいね、とは思う。

 

 ただ他人の陰口は品がないなとは思うけど

バレて大して困らないのであれば、変にため込まず言えばいい

とも思っている。それが健全な社会生活につながるのであれば。

 

ただ僕の陰口を言う時は絶対届かないようにしてほしい。へこむから。